Thursday, December 1, 2016

怠慢の骨頂。



敬老理事会のみなさん、

前回は「新ビジョン構想」と題して、敬老が配布する印刷物の粗末さを綴りました。ですが、それだけでは終われないお粗末が随所に見られたのです。今回もそのことに時間を割きます。
まずは、ケアレスミスから始めよう。敬老が新しく始めた助成金制度に関する説明として“非営利でコミュティーに根差した組織に対して、競争的で、コミュニティーンい根ざした審査プロセスによって総額50万ドルまでの助成金を分配します”とあった。
言うまでもない。「コミュニティーンい根ざした」はタイピング・エラーなのだが、間違ったままで印刷するというのは考え物だ。いや、考え物だで片付けられるものではないだろう。読み返すということを知らないのだろうか。他の誰かが最終チェックするということをしないのだろうか。
と考えながら、もう一度そこのところを読み直した。すると、その文の始まりが「コミュティー」とあるではないか。一つの文に「コミュティー」「コミュニティーンい」の二つもの間違いがあるというのは、怠慢以外の何物でもない。
とはいえ人間、間違いはつきものだ。一回位は大目に見ることもできる。しかしである。同じ印刷物の中に他の間違いを発見した時には目ん玉が飛び出るほどだったし、呆れて物も言えなくなったし、頭のてっぺんから湯気が立つほどに頭に来た。

豪華に設えられたパンフレットの8ページ目に『敬老の新ビジョン構想:6部シリーズの第1回』として「ミッションは続く」とあり、次のような文章が堂々と載ったのだった。
1960年、まだ敬老が計画段階だった頃、米国人口の9%が65歳以上でした。2010年にはその数字は13%となり、14年先の2030年には20%に上ると予想されています。高齢者の人口比が増えるだけではなく、実際の数も増えており、1960年には165千人、2010年には4268人、2030年には72774人となります。”
これはおかしいじゃないか。「実際の数も増えており」と書いておきながら、1960年に165千人だったのが2010年には4268人、2030年には72774人と減っているのはどういうことだと思うわけだ。すると、英語のほうを確認しなければならない。面倒なことだ。時間の無駄である。
英語のを見ると次のようにある。“Not only has the percentage of the older adult population increased, the numbers have, as well – 16,500,000 in 1960 to 40,268,000 in 2010 to a projected 72,774,000 by 2030.”と。 
165千人ではなく千650万人、4268人ではなく4268千人、72774人ではなく72774千人ではないか。何という怠慢だ。大間違いを確認もせずに印刷し配送するとは怠慢にも程がある。「恥を知れ」と怒鳴りたくなる。そしてその時点で、読む気が消え失せた。
繰り返そう。あなた達は、日系コミュニティーの血と汗と涙の結晶である7千万ドルをこれらの印刷物や郵送に充てているのである。日系社会の血と汗と涙の結晶をどぶに捨てるようなことは即刻止めてもらいたい。

ちょっと話の矛先を変えましょう。この『拝啓 ショーン三宅殿』と題した拙ブログのことです。多くの読者が毎週待ち焦がれておられます。書くほうも間違った言い回しがないように、誤字・脱字がないように、念には念を入れて書くのです。毎回、20回も30回も読み直し、赤ペンを振るうのです。これが、読者の方たちへの最低限の義務だと思うからです。

拝啓 敬老理事会殿、
あなたたちの翻訳者にはそのような心構えなどないのだろうか。じゃ、こういうのどうだろう。私が赤ペン作業を受け持つということです。意味の通じる大そう読みやすい文章になると思いますよ。もちろん、間違いなどとは無縁な文章だ。
ですが、あなた達にとっちゃ大きな問題でしょうね。私がその役目を任されると、理にかなわない文章は初めから終わりまで、全文くまなく省いちまうだろうからね。

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