ショーン三宅様、
あれは、とある2月の昼下がりでした。一通の手紙が舞い込んできたのです。2月17日付けのKeiroからの物でした。2月17日というとescrowがクローズして2週間目です。私が長年ボランティアを続けた人間だから、これが送られてきたのでしょう。
そこには、“四つの施設は売却されましたが、Keiroの使命は変わることはありません。それは、日系高齢者の日々の生活の質を高めることです”と謳われてありました。
ここで、読者のみなさんの誤解を招くといけないので一つ付け加えておきましょう。Keiroという呼び名です。Keiroという名称から思い浮かぶのは、引退者ホームであり、中間看護施設であり、二つの介護施設なのです。Keiroの代名詞であった四施設を手放した後もその名が使われるので、こんがらかっている方が少なくないようです。
元々Keiroは、Keiro
Serviceを親会社とし、その傘下団体である旧敬老四施設を運営するという仕組みだったのです。四施設を手放しその使命を果たす実態が無くなったにも関わらず、三宅さんはKeiroの名称を持ち続けるのですね。
ですから読者のみなさん、これからはKeiroと聞いても四施設を思い浮かべるのではなく、San Pedroと3rd Stのコーナーにあるビルディングの最上階の一室を思い浮かべてください。
一つ付け加えましょう。Keiroは、今でもドネーションを募っております。これは旧敬老四施設と居住者のためではなく、7千万ドル以上の札束の上に胡坐をかく三宅さんの懐を肥やすだけだということを肝に銘じてください。
話を元に戻します。その手紙の中に“culturally sensitive support to older
adults and their families in our community”という文句がありました。これを目にした時にはビックリしましたよ。開いた口が当分閉まらなかったですからね。旧敬老四施設とそこに住まれる600人もの高齢者を売り飛ばしておきながら、コミュニティーの高齢者とその家族へのサポートもあったものじゃないですよ、三宅さん。
あれは2015年9月2日でしたか、州司法長官が条件付きで売却の許可を下したのは。その条件の中に謳われていたのが、culturally sensitive care at the
Keiro facilityでしたよね。あなた方はこれを“文化的背景を考慮する”と訳して大々的に使っているようですが、それではsensitiveの持つ微妙な意味合いをつかむことが難しい。そこで私なりに知恵を絞りました。数か月かけてやっと辿りついたのが“日本文化の機微に基づいた看護”でした。自分でも悪くない翻訳だと思っています。
州司法省は、売却後の向う五年間は現状通りの“日本文化の機微に基づいたケア”を維持することを条件にしたのでしたね。そしてそこには、日本語と英語のできるバイリンガルの看護師・介護士の常勤も条件として組み入れたのでした。
しかし、考えてみるとおかしな話です。これは本来、売却の条件としてKeiroがパシフィカ社へ要求すべきことですよ。残される居住者のためを思ったのであれば。600人の居住者を売り飛ばした後はこっちの知ったことかと思ったのであれば、話は別ですが。
拝啓 ショーン三宅殿、
あなたは総責任者として、Keiroを終の棲家として選ばれた何千人もの高齢者の方と直に接して来られました。日本語のできる看護士・介護士の必要性をあなたほど良くご存じの方はないはずだ。それでいながら売却の条件にそのことを盛り込まなかった。これは誰が考えてもおかしい。そのようなことも実行しなかった人間に、“日本文化の機微に基づいた看護”などと軽々しく使ってもらっては困るんだ。
ジョン金井
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