ショーン三宅様、
この連載を始めたところ物すごい反響が待ち受けていたと書きましたが、先日、次のような文章が届きました。“私は、敬老の売却を知ることとなった去年の10月から、そんな酷いことをする人間がいるのかと毎日怒っておりました。そこへ金井さんの『拝啓 ショーン三宅殿』が始まったので、この積もり積もった鬱憤を晴らしたく書き綴りました。よろしくお願いいたします”という前書きがあり、次のような文章が添えられておりました。お読みください。
“私は先日、あなたがMagic
Bellというテレビ局の番組でインタビューを受けられた模様を、YouTubeで見る機会がありました。2015年11月18日のものです。私はそれを見て、あそこまでのうのうと、そしてあそこまでまことしやかに出鱈目と嘘八百を並べ立てられるものかとあきれ返ってしまいました。その内のいくつかを挙げて見ます。
• あなたは「日本人コミュニティーに対して、二年間ずっと、売却の意見を求めてきた」と言われた。これはまるっきりの出鱈目だ。もしそのことが本当だったのであれば、何故、去年の10月15日に西本願寺で行われたコミュニティー・ミーティングにあれほど多くの人が集結し、売却反対のヤジと憤慨の声が渦巻いたのですか。その場には、大勢の引退者ホームの居住者も集まった。彼らも大いに怒っておられましたよ。「自分たちも何も知らされてないのよ」と。
• あなたは「営業不振のため敬老四施設の継続がおぼつかなくなり、断腸の思いで売却に踏み切った」と言われた。よくもまあ、そんな白々しいことを言えたものですね。どこをひっくり返して見ても、敬老の経営赤字を見出すことはできません。万が一そうであったなら、何故に経営状態を公開し募金運動をしなかったのでしょう。決して赤字じゃなかったからですよね。これも嘘八百だ。もしも経営困難であったなら、日系社会が喜んで募金運動に協力したでしょう。
• あなたは「時代の移り変わりによる人口分布や経済状態により入居者の数がぐんと減った。創始者のフレッド和田さんもジョージ荒谷さんも、将来の形態は変わるだろうと言っていた」と言われました。これもおかしな話です。売却されようとする施設に誰が好んで入居を申し込みますか。和田さんは、「失敗を恐れることはない。失敗して全てを無くしても敬老が骨を拾ってやるから」と言って日系の若い者を励ました方です。そのような和田さんや荒谷さんが、現存の入居者を見捨てて売却してもいいと言われるはずがないでしょ。これも出鱈目だ。
• そしてあなたは、「私はこの敬老施設に21年の間ボランティアを続けている」と言い放った。あなたの年棒は30万ドル近いものでしたね。ボランティアとは「無償の仕事」という意味です。ボランティアには報酬はないのです。常時千人近いボランティアの無償の奉仕によって成り立った敬老のCEOだったあなただ。それくらいのことはお分かりでしょう。
私はあなたのインタビューを拝見し、あなたの過ごした子供の頃の家庭環境を思ってしまいます。日本の家庭では「嘘は泥棒の始まり」と言って、絶対に嘘はつかないよう躾けられます。また「三つ子の魂百まで」という諺があるほどで、小さい頃の家庭環境が重視されます。日本人の持つ勤勉で嘘をつかない特性は、小さい頃の躾けによって育まれると思います。だからこそ日本人は、五目飯のようなこの多人種国家において、最も信頼される人種となったのです。
ショーン三宅様、あの日のビデオをもう一度ご覧になることを奨めます。そして、この地に住む日本人として、一個人として、ご自分が施したこれまでの理不尽を悔やみ、恥ずかしく思う心がまだ残っていることを切に願っています。”
No comments:
Post a Comment