ショーン三宅様、
前回はサクラ・ガーデンにお住いのYさんから頂いた文章を元にして書きました。ところがそこには、もう一つ大事なことが記されてありました。今回は、そのことをお伝えします。
“敬老の三宅会長は、敬老四施設売却の理由の一つとして、「最近の高齢者は敬老の施設に入居するより、自宅で介護を受ける事を希望する様になった」と繰り返し述べています。更に、「元気リビングのプログラムにより、高齢者は健康を向上し、充実した老後を迎える事が出来る。人口構成及び経済環境の変化に対応するため、新しいシステムの導入が必要となった。敬老はこの難題を受け入れ、対応する用意が出来ている」と言っています”と始まり、“本当に三宅さんの言う通りでしょうか”と疑問を呈しておられます。
誰もが自宅で余生を送りたいと願っていて、ご自分もそうであったと続きます。老人ホームの世話になるなど夢にも考えなかったし、なんとなく自宅で一生を終えるものと思っていらっしゃったそうだ。奥様が数年前に初期認知症と診断されるまでは。
その後、家事が困難になられたと言う。すると、普通の生活を営むには老人ホームへ入る以外の選択技は無くなるのだそうだ。そして次のように続けられた。
“老人ホームですと、三度の食事は支給され、週に一度部屋の掃除をしてくれ、看護スタッフも24時間体制です。入居費は月額3,500㌦ですが、この程度なら私達の貯金の範囲で何とか支払う事が出来ます。もしホームケアを受けていたら、とてもこの金額には収まらなかったでしょう。老人ホームの平均年齢は87才です。簡単に転びます。骨が脆くなっていますので、転ぶと骨折し入院して手術を受けます。認知症の人、糖尿病の人、誰もどこかに欠陥を抱えていますが、どの様な緊急事態にも対応出来るように24時間勤務の看護スタッフがいます。”
そしてYさんは、次のことを強調されます。“最近、半身不随で長年にわたり自宅で療養していた妻を殺した夫と、その反対に夫を殺した妻の記事が相次いで朝日新聞に載り社会問題となりました。なぜ、老人ホームへ行かなかったのかは書いてありませんでしたが、老人ホームに入居していれば、このような悲劇はおこらなかったと思います。自宅介護には限界があります。老人ホームはアメリカでも日本でも、世界のどこでも、老人がいる限り無くてはならない、必要な施設です”と。
拝啓 ショーン三宅殿、
あなたは、時あるごとに「最近の高齢者は敬老の施設に入居するより、自宅で介護を受ける事を希望するようになった」というフレーズを誇らしく繰り返された。一度でも、このような高齢者の声に耳を傾けたことがあったのだろうか。