ショーン三宅様、
あなたとあなたが率いた理事会が旧敬老四施設の売却を決めた理由の一つに、経営の悪化がありました。ただ、口でいくら経営の悪化を訴えられても、IRSへの会計報告を見る限りそのような兆候を見出すことはできません。これは、公認会計士のプロの目で精査された上での評価です。
そしてありがたいことに、そこには困ったときの神頼み、日系社会の後ろ盾がありました。聞いた話によりますと、敬老の創設以来、少なくとも3千万ドルのドネーションが寄せられたそうですね。ものすごい額だ。経営が悪化したとしても心配するな。この基金から赤字を埋めれば良いのだからと言って寄付してくれるのです。これ程ありがたいことはない。
これには個人レベルのもの、大小の企業レベルのものも含まれます。その中には、日本から渡米して事業を起こした個人、そして日本からアメリカに進出した大企業が含まれるのは言うまでもないことです。つまり、新一世企業ということになりますか。新一世の企業家が、そして新一世の企業が、旧敬老のため、日系高齢者のために大きな貢献をしました。
私は、南加日系商工会議所に数人の知人がいます。きょうは、その内の一人から聞いた嘘のような本当の話をお知らせしましょう。3・4年前のことです。年末恒例の「歳末助け合い運動」で集まった募金を例年通りに敬老へ伝えようとしたところ、その受け取りを断られたというのです。私は自分の耳を疑いました。まさに、狐につままれたような話だったからです。
非営利団体というのは、ドネーションを頂戴するのが仕事のはずです。ドネーションを受け取るのは義務のはずです。それを拒むということは、NPOに授けられた職分を果たしていないことになる。これは職務放棄だ。
その方の話によると、この歳末助け合い運動は20年ほど前に始まったそうですね。南加日系商工会議所が音頭を取り、県人会協議会、大正クラブ、昭和クラブ、南加庭園業連盟など九つの団体に声をかけました。敬老へのドネーションを募るという名目で呼びかけたところ、多くの賛同を得たそうです。
歳末助け合い運動の場においても、敬老のための募金だと謳った。そのお蔭なのでしょう、毎年多額の寄付が集まったのだそうです。ところがだ、三宅さん。20年続いた敬老への寄付の受け取りを、何の前触れもなく、何の説明もなく、2年続けて断ったというじゃないですか。その受け取りを断った金額が、2回とも1万ドル以上だったそうですね。
想像してみてください。いくら温暖な南カリフォルニアといっても、12月末ともなると寒さがしみますよ。ジャパニーズ・ビレッジで、ウェラーコートでです。屋外ですよ。雨の降る日もあったそうです。そのほとんどが高齢の方だった。この方の弁を借りましょう。
「大正クラブのおじいさん、おばあさんが傘をさして募金をお願いするのです。じいさん、ばあさんが只々敬老の高齢者のことを思ってですよ。募金を無下にされた時には、腹が立って腹が立って」
これは募金運動に携わった方々の崇高な志に対する冒涜だ。そして、募金に協力した日系社会に対する甚だしい侮辱である。
拝啓 ショーン三宅殿、
よーくお聞きください。このことを百人に話したとしましょう。百人中百人が、「そんなバカな」と言ってあきれ返るでしょう。赤子でも分かることだ。そのことが分からないのは、三宅さん。あなた一人くらいでしょう。
ですが、それも仕方のないことかも知れませんね。これまで、何から何まで理不尽を貫いた御仁だから。だが、ここで一つ腑に落ちないことがある。理事会の方々も、その百人中の百人に入らないほど無礼で不躾なのだろうか。
追伸
これを書いて配信しょうとした時だった。敬老から届いた『Genkiコネクション』という郵便物に「売却期間中の募金を遠慮した」と書かれてあった。これで合点が行きました。歳末助け合いの募金を跳ね返したのはこのためだったのだと。
そうだったなら、「売却期間中なので募金を受け取れません」と言うべきだった。それをしなかったということは、売却を秘密裏に進めたという証しでもありますね。
ジョン金井
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