敬老理事会様、
今回も敬老理事会の10名の連名で羅府新報に投稿した「敬老の過去、現在、将来」を取り上げましょう。そこに次のようなくだりがあります。
“長年の調査と議論に基づいて、敬老はパシフィカ社への施設売却に合意しました。公示とコミュニケーション、それにカリフォルニア州法務長官室による厳密な審査プロセスを経て、売却は2015年9月2日に承認されました。法務長官によって課せられた取引文書とその条件には、以降の影響を低減させるための条項が入っていました。
この期間中、敬老との関わりが限られているか、あるいはほとんど関わりがない声高い小グループが売却を阻止しょうとしました。政治的、法的な挑戦を含めてこのグループの努力にもかかわらず、この阻止への努力は失敗し、2016年2月5日に売却が完了しました。売却完了に伴い、われわれは本件が落着し、コミュニティーとして一丸となって癒し前進できるよう望んでいました。残念ながら、われわれは間違っており、われわれへの攻撃はいまだに続いています。”
さあ今回は、そこに書かれてある「声高い小グループが売却を阻止しょうとしました」に焦点を当て、あなた方の敬老問題に対する読みの甘さを徹底的に暴こうと思ったのです。ですが、そうは問屋が卸しません。
だれかによって書かれた文章に対して反論を施すには、それを繰り返し読んで、その言わんとすることを十分に理解せねばなりません。今回もそのことに集中しました。ですが、初っ端からつまずきました。
「長年の調査と議論に基づいて」とあるではないですか。この「長年」は、何年を意味するのでしょうか。辞書には、長い年月とだけ出てきます。ですが、2年や3年では長年という表現はしないでしょう。5年くらいが目途でしょうか。
敬老がエンサイン社への売却を発表した日 2014年7月17日。
州司法省からその売却契約が棄却された日 2014年9月26日。
敬老がパシフィカ社への施設売却に合意した日 2015年2月19日。
まさか次のようなことはないと思いますが、もしも契約が棄却された2014年9月26日にパシフィカ社を見つけ調査と議論に入ったとしても、2015年2月19日までは4カ月と20数日です。日本語では、これをもって「長年」と呼ぶことはありません。
このところ数回にわたり、あなた方が発表するパンフレットや投稿文の日本語訳の貧弱を指摘しました。「新ビジョン構想とな」では、“新ビジョン構想とは、敬老の今後に向けての長期的な計画作成の工程表としての役割を果たすコアとなる要素を説明するものです”を取り上げて、何回読み返しても「新ビジョン構想」の意味するところがつかめないと書きました。
「数字のカラクリ」では、“施設がある場所の人々へのヘルスケアを支援する人口基盤のヘルスケアへと決意を変える、つまり日系米国人、日本人高齢者を支援する敬老の資源と能力を制限する”は20回以上読んでも意味がつかめないので、たぶん私の国語力の不足が原因だろうと書きました。
そうしたところ、多くの読者から「私も全然分かりませんでした。金井さんの国語力の問題ではありません」というご返事が殺到したのです。そしてその中に、次のような感想文もありました。
「ご指摘のように“敬老の新ビジョン構想”の日本語版は支離滅裂です。出だしの文を見て、読む気になりませんでした。コミュニティー・コーディネーターとかコミュニケーション・スペシャリストなど日本人もいるはずなのに。日本語も英語もわからないチンピラたちのようです」
何と辛辣なご意見であることか。「怠慢の骨頂」で書き記したように、私は、翻訳を受け持つ方の怠慢による大間違いを見て読む気が消え失せました。ですがこの方は、出だしの文を見て読むことを放棄されたとおっしゃるのです。少なくない方が、同じ理由で読む気を無くしたことでしょう。
つまり、何千ドルも何万ドルも出費した豪華なパンフレットも、その目的を果たすこともなくゴミと化したのです。無駄遣いも甚だしい。
とここまで書いて気が付いた。本題に入る前に、スペースが無くなってしまった。次号へと持ち越しということになりました。
拝啓 敬老理事会殿、
このような翻訳文を恥ずかしげもなく公にするのは、即刻止めたほうが良い。我々は無能な集団だと言っているのも同然だ。後ろ指を指されるだけである。
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