ショーン三宅様、
あなたのことは2009年から知っております。その年に私が旧敬老引退者ホームでボランティアを始めたからです。ですがただそれだけのことで、あなたがどのような人格の持ち主であるかなどは考えもしませんでした。去年の10月15日までは。
その日の夜でした。西本願寺で開かれた敬老主催のコミュニティー・ミーティングで、あなたは「オーナーが変わってもボランティアはそのままステイする」と言い放った。その一言にカチンと来たのが始まりでした。敬老が人手に渡ってもボランティアを続けて欲しいなどと言われたことも聞かれたこともないのに、何という不躾だと思ったのでした。
そして、そこに集まった大勢の旧敬老引退者ホームの居住者から「私たちも何も知らされてないのよ」という声を聞いたときには、身震いを抑えることができないほど憤りを感じました。
その時です。あなたがペテン氏だと気が付いたのは。敬老の主人公は職員でもボランティアでもありません。ましてやCEOでも理事でもありません。主人公は居住者のお一人お一人です。その方たちをないがしろにして、何も知らせずに売り飛ばすというのはペテンもペテン、大イカサマ氏でいらっしゃる。
私がEnsign社への売却を知った時には、“赤字経営であれば売却も仕方ない”というスタンスでした。赤字で経営破綻ということにでもなれば、しわ寄せを全て背負わされるのは居住者のみなさんだからです。それだけは避けてもらいたいと思ったのでした。
幸いにもEnsign社との合意はご破算となりました。その時には、日系社会のみなさんが感じたと同じように、私もこれで安心だと思ったのです。いくらなんでも非営利団体なのだから、もう一度売りに出すようなことはないだろうと見積ったからです。“非営利団体だから”というのは再び売りに出さないという保証にはなりません。ですがついつい、非営利団体という名の下ではあくどいことはしないだろうという思いがあったのでしょう。
ですが三宅さん、あなたはそのような願望を叶えてくれるような御仁ではなかった。それどころか、調べれば調べるほど、嘘と出鱈目で練り固めたような人間だということが分かりました。
きょうは、その嘘と出鱈目の一つづつを書き記します。あなたとあなたの率いた理事会は、売却許可を得るために州司法省へ2000ページにも及ぶ文書を送った。そこに60回を超えるcommunity meetingを催し、売却の理由をコミュニティーへ知らせたとある。しかし、それは大嘘です。それらの会合に出席した人たちに聞いても、みなさんが口を揃えるのです。売却の必要性など聞かされてないと。
そして驚くなかれ、その60回の内の10回ほどが、ボード・ミーティングと敬老のマネージメント・レベルでの会合と記載されていたのでした。あなたとあなたの率いる理事会の会議が、そして組織内での会合がコミュニティー・ミーティングですか。外部から閉ざされた密室の中で、大テーブルに腰かけたあなたと10人の理事が売却の案を練ったのを、あなたはcommunity meetingと名付けるのですか。これはあまりにも無謀だ。
このような嘘八百を鵜呑みにする州司法省もいい加減なものですが、一つ気になることがあるのです。あなたは首謀者だから仕方ないとしても、10人の理事の方々は、みなさんが日系社会で名の通った成功者でいらっしゃる。ビジネスを手広くされる方もいれば、弁護士や会計士というプロフェッションに身を置く方もおられるようだ。謂わば、日系社会を長い間リードして来られ、現在もリードされる方たちだ。そのような方々があなたの陰謀の巻き添えを食ったということが、どうしても理解できないのです。
次は出鱈目の番だ。いろんな出鱈目が明るみになっているので、どれにするか迷うところですが、その最たるものをお知らせしょう。旧敬老介護施設と中間看護施設を受け持ったAspen社も旧敬老引退者ホームを受け持つNorthstar社も、各々の施設を運営するライセンスがないまま運営を引き継いだという事実が明るみになったのです。
運転免許なしに運転することはできません。不動産ライセンスなしに不動産業に従事することはできません。医者のライセンスなしに診療などできるわけがありません。高齢者看護・介護のライセンスなしに、看護・介護施設を運営することなどできようがないのは言うまでもありません。
そのことを州司法省へ質したところ、売却申請にのっとたことであるので契約違反ではないという回答がありました。さっそく、州司法省による条件付き売却許可書に目を通しました。なんと、売却終了後の5年間は、現行のライセンスの使用が可能と書かれてあるのです。つまり四施設とも、敬老が持つライセンスを用いて運営を続けて良いということだったのです。
これはどういうことか。何か不都合が起こった場合、ライセンスを持つ敬老が責任を取るということなのです。こんな出鱈目もない。
幸いにも、介護施設と中間看護施設のライセンスは、この5月と6月に下りたようです。ただこれも、6カ月という期間だけのものです。ライセンスと名の付くもので期限が6カ月というのも聞いたことがありません。これに関しては素人なもので何とも言えませんが、臨時のものであるかも知れませんね。
拝啓 ショーン三宅殿、
敬老のライセンスを使わせて、もしも居住者の生命にかかわるような人身事故でも起こったなら、これは取り返しのつかない大問題だ。何があなたを、そのようなリスクを背負ってまで売却を強行させたのだろうか。
それ以上に理解できないのは、日系社会のリーダーであられる理事の方々だ。そのような不合理に異を唱えなかったということは、天と地がひっくり返っても合点が行かない。
だから三宅さんと理事会のみなさん、我々はあなた方の理事会議事録を見たいんだ。そこには、莫大なリスクを背負ってまで手放すことを決めたあなた達の思惑が書かれてあるはずだ。議事録を公にするのは、非営利団体に課された義務であることはあなた達が一番よく知ってるだろう。
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